2019年5月11日土曜日

近赤外線(暗視カメラ)とサーモグラフィーカメラ

監視カメラ(夜はモノクロの暗視カメラ)は数千円からあります。
暗視カメラの技術は近赤外線です。
サーモグラフィーは遠赤外線です。(ヒータで暖かいと感じる熱線と言えば理解出来ると思います。)
帯域名波長光エネルギー
近赤外線 (Near-infrared, NIR)0.75-1.4 µm0.9-1.7 eV
短波長赤外線 (Short-wavelength infrared, SWIR)1.4-3 µm0.4-0.9 eV
中波長赤外線 (Mid-wavelength infrared, MWIR)3-8 µm150-400 meV
長波長赤外線 (Long-wavelength infrared, LWIR)
熱赤外線 (Thermal infrared, TIR)
8–15 µm80-150 meV
遠赤外線 (Far infrared, FIR)15-1,000 µm1.2-80 meV
FLIR LEPTONは8µm~14µmのレンジです。

最近はその暗視カメラ(夜間の映像を)のカラー画像を出力できるものもあります。
ISO感度を上げて可視化しているだけで何も新しい技術でもないです。
CMOSの製造機技術が上がって、それと同時にソフトでノイズの処理が良くなったのでそれでも良ければそれまでです。
ただ少し戦略的な視点で見ると、仮にそれで機械学習してオブジェクト認識させて製品を作るとします。
CMOS素子はソニーが今の所一番で価格レンジも国際流通も潤沢です。
つまり中国製の安価で高性能な製品はすぐに出てコモディティ化 (=価格競争とそれを作る事に意味はない)するので企画者がその点と革新性のセンスが問われると思います。

そのカラーの暗視カメラとサーモグラフィーとの違いは用途によります。
対象物が何であるかを識別する必要があればカラー暗視カメラでも良いでしょう。
特にわくわくするような技術でもないですが、カメラメーカーは既にオブジェクト認識を開発しています。指名手配犯を探す例の中国AI会社でやっています。何せ中国政府を上げて開発しているので凄い状態で勝負する気はありません。魅力も感じませんし。

走行中の車が交差点の人、道路脇の動物や前方の車を識別するならサーモグラフィーも使えます。
特に対象物が一定の温度(体温等)があればアクティブ(生きている)かどうかも含めた認識になります。上記のメーカーが開発しているオブジェクト認識は個人を特定出来るレベルなのでモデルデータが膨大です。もちろんグレードを下げて対応する事は可能です。

こちらはサーモグラフィーが専門でAIを含めたソリューションを含めたサービスを研究しています。
認識するものを決めて学習モデルを作って試行錯誤が必要です。

もう少し簡単な比較に例えるとガラケーとスマホに似ているかもしれません。
どちらも電話もメールもインターネットも出来ます。ガラケーや安いですが、年寄りを除いて積極的に買う人はいません。コモディティ化しているからです。

商工会議所のコンペと同じくそれを理解出来ないと受け入れて頂くのは難しいですね。
資料で理解出来る出来ないでは無くセンスの問題の様に思います。

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