2019年8月31日土曜日

ブレイクアウトボード生産中止

 GroupGets製の現在使用中のブレイクアウトボードが生産中止

元々はFLIRのデバック用に使う物を市販化して皆さんこれを世界中で使っています。
これが電源と25MHzのオシレータが入っただけで5000円弱します。高ーい!
これは本来あるはずのVSYNCピンが抜けています。
*VSYNC=データの同期を取る為の信号を取り出す。
これがないと受信側で先頭のデータを取りこぼすとどうしようもないエラーになります。
小野さんこれをプログラムにdelayで同期を取る様にコンパイルを1000回以上して同期できる様にしました。OSのついたマルチスレッド可能なボードはマルチスレッドの切り替えでどうしても同期が外れてしまいますが、ESP8266マイコンはシングルスレッドなのでその可能性が殆どありません。とはいえVSYNCで信号が”来たよー”って同期が取れればそんな事をせずともプログラムがリスク無く簡素になります。
FLIR製の新型のブレイクアウトボード(VSYNCやリセット、その他の20ピンを取り出せる様になりました。)そんなに多くいるの ?

受け側のボードの事は考えてないようで今までのピンの順番は考慮していません。
殿様商売ですが、文句言ってもしょうがありません。
と言う事で頑張って作りました。
小野さんからのリクエストでリセットピンも取り出す様にしましたがリセットは多分廃止する事になりそう。基板の大きさから両方を残すスペースはないのですが、デバック様に今回試作。1.2vの基準電圧のICが生産中止になったので違う部品を使っていますがそれがどの様にデータに影響するか未知数。この特殊なMOLEXのソケットは今までの様に手で飯田する事が不可能なので表面実装のサービスの試作代は3万円…
LEPTONは元々SPI通信の時MOSI(マスターinスレーブout)は使っていないのでそこにVSYNCピンを繋いだので逆に殆どの人はこのボードが必要になるはず=売れる?
当初作ろうとして当時のレベルでは難しかった事に挑戦しました。
とはいえ基板制作ソフトEAGLE(オートキャドと同じAUTODESK製のプロ仕様)は機能満載でアップデートで機能が変わるので習得が中々出来ません。

今まで開発して売り出しているものを瞬間に使えなくしてくれるので故意に潰しに掛かっているか?
これで他当面大きく時間が取られていろいろ出来なくなりました…

2019年8月26日月曜日

第38回 日本サーモロジー学会

38 日本サーモロジー学会でサーモグラフィ画像を使ったディープラーニングについて早稲田大学で特別講演する事になりました。

MAKER FAIRE TOKYO 2017,2018,2019でサーモグラフィーとディープラーニングの展示をしてきましたが引合が来ることは無かったのですが、大阪商工会議所のAIコンテストに応募して以来コーンズテクノロジーからの引き合いとスタンレー電気からの先進運転支援システムをサーモグラフィーとディープラーニングを使ってみたい等話は色々あります。
横浜のPVJapanの展示をきっかけとした今回の学会での特別講演です。

聴衆はサーモグラフィーを使った治療を施す医師や学生です。
勿論医療に関しての知識が無いのでどの様な応用が可能かは未知数ですが、サーモグラフィーを使ったディープラーニングの講演なので安価に直ぐに実験出来るツールとして開発中のシステムの紹介とサーモグラフィーを使ったディープラーニングの仕方について30分講演します。

PV会での講演で30分はかなり短いので話は短くデモの時間を多く取ります。

さてどうなんでしょう?
http://www.tjsot.jp/index03.html

2019年8月18日日曜日

2年越しのシンバル完成!! また豪華絢爛の作品群が完成もしくはもうすぐ完成です。

祝100ブログ投稿 !
社内報告のこのブログも今回100回目(ちょうど1年)。
この記念すべき内容は小型ドローンに搭載可能なジンバルシステムが完成して無事テストが終了しました。このテストにご協力いただいている神奈川県の大澤様に感謝致します。
オリジナルの動画(2019/8/18録画)
分かりにくいかもしれませんが機体の揺れに対してしっかりと制御しています。
ジンバルがOffの時
ジンバルがOnの時
サーボモータの応答速度は遅いので早い動きにには追従してヌルッと画像の揺れを抑える事は出来ませんが、カメラの角度は一定に保つ事ができる様になりました。

Mavic Air(DJI)のモデルは自動操縦の場合、直線を一定速度で航行している時は画像は安定しますが(下の画像の様に)軌道を変更する際にどうしても画面が揺れます。
 コーナーで下の段に移行する際に揺れています。

この画像の揺れが改善すると格段に使いやすくなります。
やりました!油川さんと3年半前やり始めてやっとシステムが完成!
本当に長かった…

以前はと言うと…
モータの出力を上げると振動で誤作動…

原因はカルマンフィルターで入力から次の動きを予測するのですが、振動の加速度で実際より早くオーバーシュートしているようです。PID制御等で調整する方法もあるとは思いますが今回はこの部分を用いないソフトにそっくり入れ替えました。

豪華絢爛の作品たちです。
会社のロゴのついたiPhoneアプリもほぼ完成(LEPTON用とBOSON用)。
特にBOSON用のソフトの完成度は非常に高く。約20FPS達成。これ絶対売れる(と思っているのは当事者だけかもしれませんが)
このレベルで3年も開発し続けているので当然かもしれません。
本家FLIRのマネジャーの発案で完成しましたがリリースして感想を聞きたいくらい。

AIソフト
廉価版のNVIDIA Jetson Nanoは認識率以外は納得の出来栄え。
Lepton自体の識別可能な距離が30m位しか無く、Nanoのメモリー100%でこれ以上のスピードアップと認識率向上は無理ですが、Gstreamerとメモリーのスワップを効率的に使ってここまでしている人は殆どいません。

メーカーのブログに投稿されているのはサンプルデータを出力しただけでここまでも完成度のものは出ていません。
GroupGetsのツイッターに出てるAIデータサイエンティストでもライブラリーでサンプルを動かす程度。サーマル画像の画像認識する人自体が少ないです。
FLIR関連会社のGroupGetsで扱う競合相手?こっちより150ドルほどお高いです。
使っているWIFI機器がアメリカFCC規格認証だけなのでその他の国では使えません。

私も負けずに3Dデータを続々完成。
 ドローンのデータはコツコツ2年掛かりですし…。
今回のジンバルとのコラボですモデルで200g以下 🎶
WOW😍
もう少し仕上げて…前後の重量バランスを考慮しました。

 何気に会社のロゴも入れてます。🙂

Advance Drive Support System様のケースも完成させます。
夏時期の暑さ対策にベースプレートも追加しました。

あとはプロモーション次第?

2019年8月15日木曜日

New Gimbal Soft

この一年サーモドローン用のジンバルの誤作動を何度も修正していますが解決していません。
当初はブラシレスモーターの出力を上げることでノイズが発生していると思いシールドケーブルや基板にフィルターを入れたりブリキでシステムをカバーしたりしましたが、改善せず半ば諦めていました。
サーボモーターからブラシレスモータータイプに変えてみまいたが仮にこの問題が解決しても重量オーバー…

そのブラシレスジンバル製作中に先月同じ様にジンバルを作っている人のブログにその原因が振動であると書いていました。であれば今までの対策で結果が良くなかったのも頷けましす。
なので早速色々な防振材料を集めて電動歯ブラシの振動で実験。ゲルタイプの防振マットが良い感じでした。
ただ振動が原因かが確信が持てません。またマイコンのシリアル通信を使ってデータを確認しようとしても数字は結構安定せず確認しづらいのでその出力を可視化するソフトを試してみました。Processingというソフトでマイコンの出力を可視化します。
で電動歯ブラシで実験しました。
電動歯ブラシの振動でもそれほど誤作動が起きていないように見えます。
一応防振ゲルを有無でテストしましたが結果は殆ど変わらないので防振対策自体は効果は無い様です…


ではこの振動で今使っているソフトで実験すると…
電動歯ブラシの振動で誤作動が出ました。ドローンと同じ様な挙動になりました。
(防振ゲルの効果は無いと言う結論になりました。)
(スポンジも効果は無い)

で?振動で起きるがソフトで出たり出なかったり…
今回可視化したprocessingのソフトとドローンのソフトは同じMPU6050のセンサーを使っていますが、ソフトの中身が違います。ドーロン用はカルマンフィルターを使って出力を適正化しています。がもしかしてこの適正化が悪さをしているのか?と思い別のジンバルソフトで実験。
サーボモーターが1つしかないのでロールとピッチを別々にテスト。
まずはロール。振動の影響は殆ど無く姿勢を帰ると問題なく反映されています。
ピッチも特に問題が無い。
と言う事はソフトの問題?
確かにMPU6050センサーに振動を伝えてもprocessingの出力に大きな影響は出ていないようだし。
あとはソフトを入れ替えたモデルを神奈川県の人に送ってMavic Airで実験して調べてもらいます。

2019年8月12日月曜日

火災検知

サーモグラフィーを使った火災検知。社長から以前聞いた事があるのですが、Maker Faire Tokyo2019で自宅で粒子加速器を自作する関係者の方にも同じ様な依頼があったので少し考えてみました。
LEPTONで検出する場合温度を測る点は160x120ポイント。
そのどこかが発火する温度で発報するのであれば意味がありません。
その予兆を検出しないとその時点で発報すると発火に間に合わないし機器や財産の損傷を防止する事は出来ません。

LEPTONの画角は標準レンズより少し広い位なので広い範囲を監視するにはカメラを動かす必要があります。
そうすると測定している範囲の絶対位置をどの様に捉えるかがポイントになります。
そこで使えそうな手法はOpenCV(opencv_stitchingライブラリ)が使えそう。
最近のデジカメでパノラマ撮影に使われている方法です。つなぎ合わせる画面のその特徴点をつなぎ合わせるので広い範囲をカバーする事が出来ます。

右側の画像
左側の画像
特徴点をライブラリーでつなぎ合わせると…

パノラマ写真の出来上がり。これで広い範囲をカバー出来ます。
サーモグラフィーでするとこんな感じになります。
ちなみにこれはカメラを2つ使って繋げています。

可視画像はこれです。

次から難易度が上がります。
前回測定してから今回の測定の差異の抽出です。
割と有名らしいOpenCVベースの背景差分(Background Subtraction)のライブラリ「BGSLibrary」。
頻繁に更新されており、現在は43の背景差分アルゴリズムが実装されいてるらしい。


これも左右の画像の差異をOpenCVのライブラリーを使って抽出。
でこんな感じ。
もしくは


サーモグラフィーのデータを可視化して画像として扱えばある程度は出来そうな感じなのですが、ここからがサーモグラフィーならではの問題。朝夕や季節によって温度は変化します。
そうです、毎回温度が変わるので例えば気温等の基準温度で全体を相殺して異常発熱を検出すれば良いのですが、これまでは画像変換したデータを解析していますが、温度の生データを解析する必要があります。理論はわかりますがどの様な手法が使えるかそう簡単にわかりません。データ解析を専門にしている会社や論文があれば良いのですが、ここからは長い道のりになりそうです。
これはオブジェクト認識ではありません。ただ特徴を抽出するだけなのでGPUは必要ないようなので機器はもっと簡単なものが使えるかもしれません。

2019年8月10日土曜日

ADAS(先進運転支援システム)

先進運転支援システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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先進運転支援システム(せんしんうんてんしえんシステム、ADAS: Advanced driver-assistance systems)は、自動車のドライバーの運転操作を支援するシステムである。安全なマンマシンインタフェースによって設計されたADASは、車の安全性、ひいては道路交通の安全性を高める。

まあ今回の引き合いをきっかけにこんなシステムがある事を改めて知りました。
どの様に関わって行くかは別として安全を支援するとはいえ機能は非常に厳しい仕様になると思います。ドライブレコーダーでも既に格安でありますし、自動車メーカーのオプションがあるので一般のカメラで参入はよほどの技術がないと既に中国製があります。機能を侮れないのが今の中国製です。
この値段ならドライブレコーダーにおまけの機能付きで買おうと思えます。

ADASの略が間違っていますが、アラームシステムなら誤動作しても許される?
今回NVIDIAのスタートアップのプログラムに応募したら資本金500万で4、5人の会社でないとダメって…(スタートアップの支援って開発しているプロジェクトで選定するべきと思います。)で採択された会社はと言うと…
今から資本募ってシャープで作りますって…どうなんでしょう?
中国製はこの値段で同じ機能の商品を既に販売中。
NVIDIAのGPU使ってシャープで生産してどんな価格になるのでしょうか?
動画は立派です。
https://vimeo.com/344232410
でもどう見ても嵌め込み映像(プロトタイプでは無い)ましてテスラの車を使っていますがADASは既に搭載されているはず(700万を超えるEV車ですよ!)日産でも商用車でもある程度のADASはついています。
このアイデアでシャープやNVIDIAや色々な投資家、銀行もついてくれるのですね。
アメリカや中国のスピード感と出来栄えに比べると見劣りする?

こちらはここまで仕上がっていてそれなりに動作する仕様なのに…

2019年8月4日日曜日

maker fair Tokyo 2019

今年はこの展示が地味に凄かったです。

自宅で粒子加速器を自作する

1932年ローレンスが発明した粒子加速器の一つであるサイクロトロンは、リヴィングストンにより実証されました。加速器は、高真空、強磁場、高周波、それらの制御と、多くの技術が使われており、大変魅力的な装置です。そこで、この70年以上前の物理学のマイルストーンを実証すべく、超小型サイクロトロンを自宅で自作しています。もちろん、いまさら検証しても、科学の発展には貢献しません。楽しいから作るのです。
大学院では素粒子論を専攻しましたが、就職して大人買いができるようになり、がまんしていた工作熱が再燃。旋盤、フライス盤を購入し、自宅自室で超小型のサイクロトロン型粒子加速器の製作を始めました。
自宅で4cmのチャンバーの中で音速より早く粒子を加速させるって数学と科学の知識半端ないです。測定器を見て実験成功ってニヤニヤしてるだけって贅沢です。走狗定期は国内外のオークションでチャンバーは専門の会社に30万で作ってもらって細いタングステンを機器で調整、水素ガス入れて…聞いても分からない。スピードは何の何乗って暗算して…



他にも常連の方々の展示もバージョンアップされていました。
紹介しきれないのでツイッターで。
https://twitter.com/wiwao/with_replies