2020年5月27日水曜日

FPAの続きと黒体炉を使った温度測定

今までと発想を変えるとこうなります。



これを黒体炉を基準に固定すると温度誤差は±0.3度程度になりました。


右横にあるシートヒータに比べ黒体炉の基準面の温度は均一です。


RAWデータを基準温度に合わせた訳です。

こうする事で誤差を黒体炉に合わせる事ができます。
サーモグラフィー画像のRAWデータは黒体炉を基準としているので結果的に温度がこの画像の様に固定されます。

ここに来るまで色々なテストを黒体炉の比較、パラメーターの洗い直しと大変な手間と時間が掛かっています。
今からこれを検証して行きます。

追加設定用画面です。

2020年5月25日月曜日

FPAの取扱い

FLIRのサーモグラフィーは絶対温度に対しては冷接点の温度で補正を行う高級モデルがあるようですが、詳細は企業秘密のようで分かりません。
なのでサーモグラフィー画像はこの動画の様に全体的に上がったり下がったりしています。今回の黒体炉ではっきりしました。
この挙動も特殊で校正用のシャッターが閉じてからゆっくりと表示温度が下がってきます。これは社内のi5のモデルも同じです。温度さは±2度あります。
数値を平均や偏差にしてもそれでも2度の温度誤差が出ます。検温するには大きすすぎます。
マイクロボロメーターの特性なのかもしれません。
FLIR LEPTONのセンサーが出力するパラメターは下記の用にセンサーの温度も出力しております。センサーをファンで冷やすとこのグラフの様に温度差がでます。オレンジの線。

それ以外にも細かく色々なパラメーターがありますが、物理の熱工学がわかる人でないと扱いが難しいパラメーターです。今回一つ追加したのが放射率を0.97を標準にしました。今までデフォルトの100%。

黒体炉を基準にすると下記の様に温度変化は文句なしです。0.2度の温度差です。


それでは本題のFPA(the focal plane array)というセンサー内の温度を取得しているのですが、センサーの温度と同調するところがあります。
マイクロボロメーターはセンサーの校正にシャッターを使うのですが、その際に突入電流の為センサーに影響があります。波の底からピークはその瞬間なのでそれが同調するのは自然です。
ただそれ以外の時間もグラフの様に同調しています。
閾値の線を入れてスケールを変えた表ですが、FPAは少しずつ温度が上がっています。
センサー温度が上がっているのは通電電流と外気温が影響しいると思われます。

このFPAが環境変化の係数として、シャッターの動作している時間を補正すると温度は実際の温度に近づきます。
黒体炉の基準も考慮して校正すると、測定しているイメージの温度変化になります。

室温とケース無いのセンサーの温度が安定すると温度の校正にこのFPAの係数を使うと誤差が少なくなります。
これはあくまで仮定ですが、FPAの変化量を微分してそれを逆相した係数を使うと温度測定に使えれば精度よくなるのが現在までの検証でわかりましたが、まだ定かでないところどんな条件でもそれが証明されていないので引き続き実験して検証します。

2020年5月6日水曜日

問題の温度補正

画面内のセンサーの感度は0.05mk(0.05度)ですが、絶対温度が取れない事は以前説明しまたい。
安定したチップ温度で校正を試みましたが相関関係が無い為断念しました。



センサーの感度を維持する為にシャッターを自動で閉じて校正します。
シャッターを閉じないと画面が染みがついた状態になり感度が落ちてきます。
センサーの状態を感知して時間に関係なく動作します。


オレンジ色の線はfpa= Focal Plane Array  だそうでセンサーのチップ温度です。
2017年のLEPTONの変更仕様では
A software command for reading back an auxiliary temperature sensor on Lepton in units of Kelvin will no longer be supported. The software command will still exist and return a value, but the value will no longer be calibrated to provide a meaningful temperature. The auxiliary temperature sensor (AUX) involved in this change is separate from the temperature sensor on the focal plane array (FPA) which will continue to be calibrated and provide the Lepton camera operating temperature.

シャッターが閉じて次のシャッターまでに1℃以上の下がるのですが、この過程でも
温度誤差が出ているようです。(実際の温度と関係なく温度が下がっている様です。)この点をどうするかも処理が難しです。

デバッグ用ソフト
一応LEPTON3.5計測用プログラムができましたので送ります。
LEPTON3.5以外は出力がおかしくなります
まずPi3にLEPTON3.5を取り付けて、PI3にキーボード、ディスプレイを一応接続(LEPTON画像確認用)
(たまにリセットしますが止まることはないようです)
PI3はコマンドモードにしないとLEPTONが安定しないので、Windowモードになってる場合はraspi-config で変更して下さい。
(多分コマンドモードになってると思いますが…)

1.PI3の ofXXXX/apops/myAppsの中に解凍してコピー
2.Macからssh接続して 今コピーしたフォルダの中に入る
3.make -j4 でコンパイル
4.エラーが出なかったら make run  で実行。以下のようなログが2秒おきに出力されます

MaxRaw,Maxdo,fpa,aux,31525,42.097473,23.417480,23.987488

ターミナルはデータを遡ることができますので、必要なところまで範囲を指定して、EXCELにコピー
出力内容はコンマしきりになってるので、EXCELでCSV変換をすればすぐに解析可能です
(EXCEL->データ->区切り位置 で変換します。詳しくはWebで調べて下さい)
数値はMaxRaw,Maxdo,fpa,auxの順で並んでますので,Maxdo,fpaで解析します
この場合は42.097473と23.417480 です。

MaxRaw  画面範囲の最高温度のRAW値
Maxdo   画面範囲の最高温度の℃  ( MaxRaw/100-273.152519 ) 
fpa      センサーの温度 ℃
aux    センサーの温度 ℃(何の温度か不明fpaより高めになる)