2020年5月25日月曜日

FPAの取扱い

FLIRのサーモグラフィーは絶対温度に対しては冷接点の温度で補正を行う高級モデルがあるようですが、詳細は企業秘密のようで分かりません。
なのでサーモグラフィー画像はこの動画の様に全体的に上がったり下がったりしています。今回の黒体炉ではっきりしました。
この挙動も特殊で校正用のシャッターが閉じてからゆっくりと表示温度が下がってきます。これは社内のi5のモデルも同じです。温度さは±2度あります。
数値を平均や偏差にしてもそれでも2度の温度誤差が出ます。検温するには大きすすぎます。
マイクロボロメーターの特性なのかもしれません。
FLIR LEPTONのセンサーが出力するパラメターは下記の用にセンサーの温度も出力しております。センサーをファンで冷やすとこのグラフの様に温度差がでます。オレンジの線。

それ以外にも細かく色々なパラメーターがありますが、物理の熱工学がわかる人でないと扱いが難しいパラメーターです。今回一つ追加したのが放射率を0.97を標準にしました。今までデフォルトの100%。

黒体炉を基準にすると下記の様に温度変化は文句なしです。0.2度の温度差です。


それでは本題のFPA(the focal plane array)というセンサー内の温度を取得しているのですが、センサーの温度と同調するところがあります。
マイクロボロメーターはセンサーの校正にシャッターを使うのですが、その際に突入電流の為センサーに影響があります。波の底からピークはその瞬間なのでそれが同調するのは自然です。
ただそれ以外の時間もグラフの様に同調しています。
閾値の線を入れてスケールを変えた表ですが、FPAは少しずつ温度が上がっています。
センサー温度が上がっているのは通電電流と外気温が影響しいると思われます。

このFPAが環境変化の係数として、シャッターの動作している時間を補正すると温度は実際の温度に近づきます。
黒体炉の基準も考慮して校正すると、測定しているイメージの温度変化になります。

室温とケース無いのセンサーの温度が安定すると温度の校正にこのFPAの係数を使うと誤差が少なくなります。
これはあくまで仮定ですが、FPAの変化量を微分してそれを逆相した係数を使うと温度測定に使えれば精度よくなるのが現在までの検証でわかりましたが、まだ定かでないところどんな条件でもそれが証明されていないので引き続き実験して検証します。

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