2019年3月22日金曜日

FLIR LEPTON赤外線センサー(マイクロボロメーター)

お仕事に関係する様になったので、概略だけでも理解して貰えるように整理します。

赤外線センサーも色々出てきました。

冷戦時に軍事用で開発が進んで古くはテレビシリーズや映画の軍事機器のシーンで良く見られました。当時の技術は軍事秘密で公開されていませんが敵より先に正確に位置を察知して攻撃するという目的でした。
有名なシーンは湾岸戦争で攻撃が始まった際に国際映像でアメリカ軍の巡航ミサイルがイラクを攻撃した時だったと思います。

その後産業用にも使われる様になり太陽光の現場でも使われる様になりました。

私自身は熱交換器や冷蔵庫の性能テストに使われていたので馴染み深いものでした。

今ではオムロン4x4アレイやパナソニック8x8アレイのセンサーがありますがFLIRのLEPTONは1アレイあたりの単価や性能は次元の違う性能です。
その為輸出規制の対象になっています。特に中国、ロシアへの許可無しの持ち出しは処罰の対象です。アメリカにとっては同盟国と言えど自衛隊も外国軍の為間接的な販売も含めて駄目。

さて今回開発したソフトのハードの特徴はセンサーからのデータの取り出し技術とソフトの処理が評価された事によります。
1.LEPTONセンサーからのデータ取り出しは特殊なSPI(Serial Peripheral Interface )
 というシリアル通信一種で同期を取る事が当初より難しく他の人より正確に取得
 出来る様になった事です。(やった事がある人しかわからないセンサーの気まぐれ?)
2.ESP8266というマイクロコントローラーが入ったWiFiモジュールを使っています。
 命令形のRAMはたった64KBといってもWiFiモジュールとしては十分かもしれませ
 んが、そこにFLIR LEPTONセンサーからのデータの取得に配列分として39KBを
 使っているので90%以上のメモリーを消費しているので機能としては限界に挑戦
 している状態。多分普通の人はこの計算で出来ないと諦めるところをその他の命令
 のメモリーの消費を最小限に工夫(昭和の香りがしますが、初期のマイコンは数KB
 しかなくみんな工夫して知恵を出していた経験がものをいっています。)
3.本来WiFiモジュールでメイン処理はユーザー領域の命令より優先される為その瞬間に
 LEPTONのデーター取得にズレが生じてエラーになります。そこにdelay、yeildや
 ウオッチドックタイマーを感でいれて同期を取っています。(現在までにコンパイル 
 して実験しながら命令を入れるところを決めていますがそれまで400回以上)
 その後、実際に宮城県某所、兵庫県某所と東大阪某所ですでに2年実験に実験を
 重ねています。
4.試作基板も20個以上テストしています。現状は部品構成を最小限にしてノイズが出ない
 様に他のESP開発キットの様にパソコンとのシリアル通信の回路やバッテリー充電
 回路は省いて、WiFiの電波強度を技適をクリアーしながら最大限にしています。
5.LEPTONセンサーのデータを受けるiPhoneのアプリにも様々な工夫をしています。


現在様々な開発基板が各社から発売されていますが、いろいろとテストしていますが中々ベストな機器が見つかっていません。
ラズベリーパイやM5stackなどでも表示が出来るのですが、機能が豊富な機器は命令形の制約が多くかえって問題が生じています。
今まで苦労した経験はその新しい機器の開発期間が短くなるなどのメリットをもたらしていますが、世界で小野さんしか出来ない事になっています。すべてうん10年の経験が集約されています。

今年に入ってLEPTONより上記機種の赤外線センサーBOSONも開発に加わって今までの経験を生かした開発をしています。

私見ですが、DJIが今回開発したMAVIC 2 ENTERPRISE DUOの性能はこちらでは2年前に実現しています。ドローンに組み込んで販売するといったトータルのソリューソンで負けていますが、向こうは世界規模の先端企業です。こちらはたった二人で同じ事をしています。
私たちのやってる事を本当に理解できるのは同じ事を開発している技術者で今回の評価が高いのは当たり前の事です。ちょっとやそっとで出来る様な事ではありません。

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