2019年6月14日金曜日

第10回例会「AIビジネス実装事例セミナー2019」

改めて他社でもAI開発に関しては同じ様な悩みや問題がある事が分かった。
先ず第一に社内にAIとは何かを理解してもらう事が難しい。
日常の仕事と直接結びつけるにはまずAIで何が出来て何が役に立つかを理解する事が出来ない。何をするにもその目的を明確にして(目的変数)その為にどのデータが使えるか必要か(説明変数)を洗い出してそれからひたすらデータを集めてその目的を導き出せるかが問題。

例えば駅に近い人通りが多いお店の売り上げを予測する事は出来ますが、店員が何人帽子を被って清潔な服装していれば売り上げがどの位かは予測する事は出来ません。
一見分かりやすい例ですが、例えば服装が清潔で無く、厨房で帽子を被らないとお客は来ない事から売り上げが上がらない事は想像出来ますね。

目的変数が売り上げ、説明変数が駅からの距離、人通りが多い=○
目的変数が売り上げ、説明変数が清潔な服装かどうか=X
目的変数がお客の減少、説明変数が清潔な服装かどうか=○
目的変数が客数、説明変数は売上=X(これらの関係は単に相関関係で変数では無い)

これら目的変数、説明変数は客観では無く主観で想定してその関係が合理的に結びつくかは実際に導き出して数値化して統計学的に証明する=AIが役に立つ。

仮に目的変数と説明変数の想定が正しくても、データの取り方を間違えると結果が想定外になります。その時想定が悪いのかデータの選び方が悪いのかは経験が無いと分かりません。実際はもっと複雑な説明変数になるからです。

今回のセミナーではそれだけでは無くその次のステージの問題提起をされました。

ショップで検索される商品から売れ筋を導き出す事は既に出来ているのですが、いつだれがどこでといった要素を足す事でもっと複雑な売れ筋商品になっていきます。それは最初のステップから次のステップ、その商品をいつだれが買う事でその人は次にどの商品を買うかを予想して提案するその精度をどのように上げていくかはそれまでのステップで優良なデータを集めれば精度の高い結果が得られてそれらのデータはまた次のステップと循環して他社と差別化出来ます。
それを実践しているのがアマゾンです。それらの統計学的なデータから需要と供給を的確にする事で顧客を集めてサービスをどんどん向上します。その為にAIや数学者やプログラマを雇って更に他社と差別化します。

つまり正しい目的変数をもって正しい説明変数を探し出しその結果集まった優良なデータからさらに詳細な目的変数や説明変数を循環させるとそれは他社が容易に真似の出来ない差別化が出来ます。
グーグル、アマゾン、フェイスブックがそれを実践しているのでイメージは出来ると思います。
個々の生産現場、サービスのAIもこの優良のデータを集める循環が出来ると最強の会社(グーグルやアマゾンの様になれるという事を説明していました。)流石研究員。

ただ単に駅から近く人通りで売り上げ予測で終わってしまうようなAIは直ぐに終わってしまい商品にならない。その試行錯誤から上記の循環に持って行くことで初めて商品になりそれがAIの成否の鍵になります。

何となく理解出来て実践できるかはわからなかったのですが、研究員曰く先ずはデータを集めてこのサイクルを実践する事が重要。
どれが正しいかは最初からは分からない。これがAIの現状です。
一見それすらAIで導き出せばと思うかもしれませんが、それはもっと先です。

結論は何かを始める。千里の道も一歩からといった事です。AIと故事は相性が良いようです。急がば回れです。

具体的な話で業務を改善する例で、責任者の決裁の判子を押す事が問題で判子を押すロボットを作ってしまうと本末転倒。
老人ホームで洗髪の補助にロボットも、介護者が洗髪をしながら要介護者とコミュニケーション出来なくなると本末転倒といった話がありました。
まさに目的と手段を正しく理解する事は一見簡単な様で実際にやってみないと分かりません。

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