2020年2月18日火曜日

近赤外線センサー検知装置

現在のサーモグラフィは4μmから13μmの波長の遠赤外線です。
断熱効果を上げる為この波長は自動車や建物のガラスは殆ど透過しません。ほぼ0です。
ガラス管ヒータの石英ガラスは透過出来ます。簡単に割れますし鋭利に飛散する可能性がある性質です。

赤外線は動物の検知に有利です。哺乳類の殆どは体温がある為検知する事が出来ます。
冬眠中の爬虫類も僅かですが体温があるので検知は可能です。

今回設備に入る前の車中の人の検知ですと、次の選択肢は近赤外線になります。
一般のカメラでの人体の検知はマネキンの様に形が人と同じであると区別が出来ません。
可視光は380nmから780nmの波長で近赤外線は780nmから2.5μmの波長になります。
因みに2.5μm~4μmまでは中赤外線として区別されます。

今回のポイントは人体の検出です。スペクトルカメラの専門家より血中ヘモグロビンは700から800nmの波長に反応するとの事です。
ですのでこの波長であれば上記ガラスを透過して人体の検出が可能という事になります。
もう少し詳しく説明すると酸化ヘモグロビンは700nmで800nmは還元ヘモグロビンになります。この性質を使って指先にセンサーを付けて脈を計る機器はこれを利用しています。
なので数秒検知すれば脈拍が取れる事を意味します。つまり生きている人体の検出です。
手や顔など一部の露出をとらえて検知が出来る事になるので好都合です。
AIでも検知部分は既に出来上がっているシステムなので難易度は低いと思います。

カメラは通常のカメラの赤外線カメラを工夫する必要がありますが宛てはあり時間が取れれば検証してみようと思います。
検証用のカメラは10万円程しますが100台位の量産になれば半分位にはなりそうです。
ただスペクトルカメラの専門家曰くある程度の距離で手などの一部の検出には画素数と画角の調整が不可欠との事でその場合は20万位のカメラになります。

カメラの画像は白黒でよくある夜間の近赤外線の画像です。


このスペクトルについては近年色々な波長を個別のカメラでとらえる事が出来る様になったので作物の生育状況や金属の腐食も検出が可能でいろいろな技術や機器が出て来ています。
これらのカメラのインターフェイスと調整次第で基板や特殊なフィルターの調整でカメラの価格位の費用の追加もあり得る感じですが、やってみないと分からないのが現状です。

*実際はこんな感じ



このメーカーのカメラもドライバーももう一つ。
ピントが手動で使い難い。。。

車のガラス越しだとこんな感じ。
カメラの画角、画素、ピンと調整機構をしっかりしないと使えるデータが取れないのでこれからどうするか考え中。

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